大岩3区 暗誦の会テキスト

出典 「春望」 杜甫


<本文>

国破山河在
城春草木深
感時花濺涙
恨別鳥驚心
烽火連三月
家書抵萬金
白頭掻更短
渾欲不勝簪


<読み下し文>
国破れて山河在り
城春にして草木深し
時に感じては花にも涙を濺ぎ
別れを恨んでは鳥にも心を驚かす
烽火三月に連なり
家書萬金に抵る
白頭掻けば更に短く
渾べて簪に勝えざらんと欲す

<読み方>
しゅんぼう とほ

くにやぶれてさんがあり
しろはるにしてそうもくふかし
ときにかんじてははなにもなみだをそそぎ
わかれをうらんではとりにもこころをおどろかす
ほうかさんげつにつらなり
かしょばんきんにあたる
はくとうかけばさらにみじかく
すべてしんにたえざらんとほっす
(118字)

<意味概略>
国都長安は破壊され、ただ山と河ばかりになってしまった。
春が来て城郭の内には草木がぼうぼうと生い茂っている。
この乱れた時代を思うと花を見ても涙が出てくる。
家族と別れた悲しみに、鳥の声を聞いても心が痛む。
戦乱は三月に入っても続き、家族からの便りは
滅多に届かないため万金に値するほど尊く思える。
白髪頭をかくと心労のため髪が短くなっており、
冠をとめるカンザシが結べないほどだ。


<朗読例>
「左大臣」様の朗読
http://kanshi.roudokus.com/mp3/syunbou.mp3